2015 年 30 巻 3 号 p. 41-46
小中学生にとって天体の分野は特に学習が難しい領域である.これらの天体現象を理解するためには地上から観測する視点と,太陽系を俯瞰する視点を関連付けて理解する必要がある.そのためわれわれは地上からの視点を映すシミュレータ,太陽系を俯瞰して見るための地球儀やアバタと呼ばれる人形,太陽模型で構成されたタンジブル地球儀システムを開発してきた.システムを用いて実際に教育現場で実践を行ったところ,学習者はタンジブルなインタフェースの意味を考えずにシステムを使用してしまうという問題点が観察された.本研究ではこの問題を解決するため学習者の動きと同期して動くアバタを開発し,デザインベースドリサーチに基づき,教育現場にて実験を行った.その結果,適切な教示法をすることで学習効果が得られることが観察された.