本研究の目的は,成人の科学教育を「充実志向」の視点から検討するために,アマチュアの科学実践において好奇心がどのように存在しているかを明かにすることである.そこで,ハイアマチュアを対象に半構造化インタビューを実施し,M-GTAを用いて分析した.分析結果より,ハイアマチュアの科学実践は,好奇心だけでなく,独自のこだわりや社会的要因と密接に関係している活動であることが示された.そして,その活動過程で,好奇心が醸成されたり,愛着意識の活性化によってリソースが捻出され,さらに活動が継続するという互いに支え合う関係が構築されている.