日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
発表
着目箇所の共有を通して美術作品の理解深化を目指した美術教育実践
宮田 和美赤間 彩織堀舘 秀一舟生 日出男
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2015 年 30 巻 3 号 p. 53-58

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抄録

美術作品の鑑賞教育において、対話型鑑賞教育が注目されてきた。従来のような知識伝達型の授業では、学生は受動的になるとともに、自身に内在化された一面的な解釈でしか鑑賞できない。このような問題を克服するため、より深い理解と創造力、高い思考力を培う事が可能な対話型鑑賞教育が普及した。しかし、対話型鑑賞教育には、教師が授業をコントロールできなくなりかねないというデメリットもある。そこで本研究では、着目箇所の共有を支援するシステムを活用し、対話型鑑賞教育のメリットを活かしつつ、デメリットを避け、学生により深い理解に基づく鑑賞スキルを身につけさせるために、学生に A)「作者の意図」による視線の誘導を実感させること、B)他の学生と着目箇所を共有させ、その差異を認識させること、教師が C)学生らの着目箇所を把握することで、説明を臨機応変に調整すること、の 3 点を実現することを目指した授業実践を実施した。

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© 2015 一般社団法人 日本科学教育学会
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