日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
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発表
問題発見工程におけるつまずきの分析
高橋 B 徹高橋 聡吉川 厚
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2015 年 30 巻 3 号 p. 65-70

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抄録

問題発見は,問題解決の成否や質を決める重要な工程である.しかしながら,我々が問題解決工程のつまずきを分析するために開発した問題解決ワークシートを使った調査によると,問題解決の初学者が十分に問題発見を行えていない.そこで,問題解決ワークシートに加えて,問題発見を網羅的に行うツリー分析を学習者に行わせることで,問題発見の過程を明示化しどのようなつまずきをしているかを分析することを可能にする.この方法で以下のつまずきを分析することができると考えられる:①要素が整理されておらず MECE になっていない可能性がある;②子ノードが解決策になってしまっている;③子ノードが分類や原因になっていない(解決策を除く);④子ノードが問題の大枠を超えてしまっている;⑤発見された問題と解決策が対応していない部分がある;⑥発見された問題と解決策が矛盾している部分がある.実験にて,初学者に問題解決ワークシートの記入とツリーの作成を行わせたものを分析することによって,これらのつまずきを確認することができた.

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© 2015 一般社団法人 日本科学教育学会
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