日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
発表
持続可能な市民科学研究
~産出化石の同定を例に~
羽村 太雅
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2022 年 37 巻 4 号 p. 113-116

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抄録

手作り科学館 Exedraでは,栃木県那須塩原市の木の葉石を用いた化石発掘・同定体験を来館者に提供している.産出する化石種の同定と,種ごとの産出率の集計は,古環境を推定するための重要な指標だ.そこで多くの同定数を確保するため,スタッフのサポートを得た市民によって化石種の同定を行い,研究者による同定結果と比較した.その結果,同定の容易な一部の種や,類似の特徴を持つ複数の種を代表する種が多く同定される一方,それ以外の種は市民による同定でも研究者による同定と概ね似た傾向が表れることが示された.今後はこの取り組みを継続して同定個体数を増やすとともに,市民による同定が研究者による同定に近い信頼度で活用できる範囲の絞り込みをおこなう計画だ.

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© 2022 一般社団法人 日本科学教育学会
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