抄録
全国で出版された市町村史を中心に麦類の冬損・雪腐病菌と推定される記録調査を行った。1538 年,山梨県富士河口湖町周辺の記録が最古であった。「雪腐」の記述は,1721 年の同県都留市の記録が初見であり,黒穂病あるいはガマノホタケの菌核と推定される記述が,1862 年の岐阜県揖斐川町の記録に見られた。また,浜田藩では1802・1846 年に信州から雪腐病に抵抗性を有する小麦や粟の品種導入を行った。さらに灌漑による融雪の促進など栽培法の改良による雪腐病による被害軽減の試みが200 年以上前から行われていたことを見出した。