抄録
重症心身障碍児(者)(以下障碍症例)は,神経または代謝疾患だけでなく,胃食道逆流症(以下 GERD)や摂食嚥下機能障害などを高頻度に合併するため,逆流防止術や外科的気道確保術などの外科治療が必要となる.周術期管理を行う上でさまざまな問題に直面することがあるが,特に栄養管理に難渋することが多い.摂食嚥下障害から経管栄養を余儀なくされ,栄養法が介護者に委ねられ,単一の栄養剤の使用などによる栄養素の過不足が生じやすい.さらには,障害の程度によりエネルギー消費が異なり,栄養評価や画一した栄養投与は困難であるため,低栄養だけでなく過栄養も混在しているのが現状である.そのため,適切な栄養投与経路の選択と誤嚥への対策が重要であり,栄養評価は,個別に繰り返し行うことで適正な栄養投与量を決定し,カルニチンなど特定の栄養素の偏りに注意する必要がある.