外科と代謝・栄養
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長期静脈栄養における問題点とその対策
曺 英樹野口 侑記児玉 匡野村 元成森 大樹上原 秀一郎田附 裕子臼井 規朗福澤 正洋
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2015 年 49 巻 4 号 p. 155-159

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抄録

 短腸症候群,ヒルシュスプルング病類縁疾患などの腸管不全患児においては中心静脈栄養(TPN)の成否が患児の予後,QOL改善のために重要な役割を果たす.一方でTPN施行中はカテーテル関連血流感染,カテーテルの閉塞,破損などのカテーテル留置に起因する合併症,中心静脈に伴う肝機能障害などの代謝に起因する合併症を来すリスクが常にあり,そのリスクはTPN期間が長期になればなるほど高くなる.そしてそのような合併症の予防が長期TPNを成功させ,腸管不全の小児の予後を改善させる最も重要な鍵となる.合併症を起こさないためにはどのような合併症がどのような理由で起こるのか,そしてそれを防ぐ方法と起きた際の対応を知っておくことが大切である.

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© 2015 日本外科代謝栄養学会
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