2015 年 49 巻 6 号 p. 277-282
欧米では医師以外の職種や基礎研究者が積極的に栄養関連の臨床研究の発表を行うなど代謝栄養学研究の層が厚いが,わが国では栄養関連の臨床医学に関わる職種の卒前・卒後教育が十分であるとはいえない.
代謝栄養学に関連する臨床に関わる研究者は"栄養治療は外科患者のアウトカムと密接に関連する"という事実をまず理解する必要がある.この概念を出発点とし臨床的疑問を解決するための研究課題を自身で見いだして研究を行うことが大切である.そのためには教育セミナーや栄養関連の研究会・学会に積極的に参加することによる代謝栄養学研究に対するearly exposure が最も重要であると考える.職種を問わず大学生・大学院生である学生時代の早期からセミナーや研究会に参加するearly exposure により,できるだけ早くから代謝栄養学の研究に触れさせ,リサーチマインドを育成することが重要と考える.