抄録
呼吸不全に特化した栄養療法は近年の国際的ガイドラインでもエビデンスの高いものは存在しない.このことから呼吸不全患者に対して栄養療法を行う際には,呼吸不全に特化した注意点に留意しながら重症患者に対する栄養療法を行っていくことが求められている.入院患者に対して,まず栄養評価を行い,目標投与エネルギー量,目標投与蛋白量を決定し,経腸栄養の禁忌がなければ24~48 時間以内の早期経腸栄養を行う.経腸栄養の種類は標準的なものが推奨されている.また,低栄養を認める症例では入院早期から静脈栄養を考慮する.さらに呼吸不全患者に対しては血清リンのモニタリング,不足時の補充が重要である.