外科と代謝・栄養
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特集「外科治療における患者給食の意義」
患者給食の今後
伊地知 秀明
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2021 年 55 巻 2 号 p. 84-88

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抄録

 患者給食は, 入院診療の一部であり, その喫食により栄養状態を保つことが治療効果に影響するため, 喫食率を上げることの重要性を患者も医療者側も意識することが重要である. すなわち, 病院食は単なる楽しみではないのであるが, しかし, 患者に病院食を楽しんで食べてもらえれば喫食率が上がり, それは治療効果に繋がることが期待される. 現行の病院食には衛生基準に加え, 栄養素バランスの基準の遵守が求められているが, それは健康人を対象とした基準であり, 患者に対しては喫食率が上がるようにフレキシブルな対応も考慮されるのではないか. 病院給食は多職種のチーム医療であり, 献立検討・喫食率向上・患者満足度向上へ向けて全院で取り組んでいくことが重要と思われる. また入院時食事療養費の引き上げも病院給食の安定した運営のためには必要と考える.

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© 日本外科代謝栄養学会
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