「脂肪肝」は,肝硬変→肝がん化という不可逆的シークエンスに入る前に,いまだ可逆的状態にあるまさに「この時期」を捉えて治療すれば「まだ間に合う」のである.一般的に,「抗肥満療法」と「肝機能改善治療」が先行する.アルコール性,非アルコール性を問わず圧倒的に多い男性肥満症・脂肪肝には,元気で体力のある固太りの健康的(?)肥満症(中年太りも含まれる)で,美味しいもの大好きで便秘がちな症例に処方されることの多い「大柴胡湯」がある.本漢方製剤は,動物を用いた基礎研究では,血中脂質,肝内脂肪小滴を減少させ,臨床研究では,脂質異常症,脂肪肝症例の血中脂質を減少させ,脂肪肝および肝機能改善作用が認められている.以上のエビデンスを基に,「脂肪肝」治療には,生活に則して無理をしない「食事・運動・精神療法で肥満対策」を行ったうえでの,プラスワン・漢方療法としての「大柴胡湯」が治療満足度アップの旗手として期待される.