外科と代謝・栄養
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症例報告
術前にアナモレリンを投与し,チーム医療で根治術が施行できたフレイル骨盤内膿瘍合併直腸癌の1例
古屋 麗子八木 開松浦 功貴水村 幸之助平山 一久
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2025 年 59 巻 2 号 p. 66-71

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抄録

 アナモレリンは食欲を改善し除脂肪体重を増加させるが,単独では筋力の回復につながらないという報告があり,以前より運動療法と組み合わせた研究が求められている.今回,低栄養の進行直腸癌患者にアナモレリンの投与と運動療法を併用したことにより栄養状態および活動性の改善が得られ,良好な経過をたどった1例を経験した.
 症例は71歳男性で,進行直腸癌・腹腔内膿瘍の診断にて入院した.入院時血清トランスサイレチン(TTR)4.5 mg/dLで寝たきり状態であり根治術は施行不可能と判断された.ステント挿入も困難であり,栄養輸液とベッド上でのリハビリ介入を経て人工肛門を造設できたが,食事開始後摂取量が少なくアナモレリンが処方された.以降食事摂取良好となりリハビリが進み,結果根治術施行可能となりその後監視下で移乗,歩行可能となって自宅退院することができた.人工肛門造設時TTR 14.5 mg/dL,握力 9.5 kgであったのに対し,退院時はTTR 21.6 mg/dL,握力 17.6 kgであった.

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