サルコイドーシス/肉芽腫性疾患
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完全房室ブロックで発症し, ステロイド治療により改善した心臓サルコイドーシスの若年男性例
木田 陽子冨岡 洋海永澤 浩志加藤 洋橋本 公夫岩崎 博信
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2006 年 26 巻 1 号 p. 39-44

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抄録
心臓サルコイドーシスは, 突然死や心不全死を引き起こすため, 早期診断・治療が必要である. 今回著者らは完全房室ブロックで発症し, ステロイド投与により良好な治療効果が得られた心臓サルコイドーシスの1例を経験したので, 文献的考察を加え報告する. 症例は28歳, 男性. 検診での心電図にて完全房室ブロックを指摘され, 早急のペースメーカー植え込みを指示され, 当院を紹介受診. 右肺上葉に塊状影を認め, TBLBにて多核巨細胞を伴う非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めた. 心エコーでは心室中隔基部壁厚の軽度菲薄化, 心臓核医学検査 (99mTc-tetrofosmin) では心尖部・下壁・前壁自由壁に灌流低下域を認めた. 心臓サルコイドーシス (臨床診断群) と診断し, ステロイド治療を開始したところ, 完全房室ブロックから正常洞調律へと経時的に伝導障害が改善し, 心エコーや心臓核医学検査においても改善が確認された.
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© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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