抄録
土壌•地下水の汚染過程を解明するためには,根群域からの下方浸透水の水量および水質を正確に把握する必要がある。フィルターの圧力を調整することで,土壌中の下方浸透水量の流線を乱すことなく採取できる装置を,肥料の溶脱リスクも高い砂質土壌に適用させるため,フィルターサクションの自動制御システムの改良を行った。選出したガラスフィルターに,予めサクションを保った状態のバッファー容器から間接的にサクションをかけることで,僅かなサクション変化で土壌水分量が大きく変化する砂質土壌において下方浸透水の効率良い採水が可能となった。室内カラム実験で連続降雨時の採水性能を評価し, 94〜109 %の高い採水効率で採水可能な装置を開発することができた。