土壌の物理性
Online ISSN : 2435-2497
Print ISSN : 0387-6012
カドミウム汚染水田の浸透型が物質動態および水稲に及ぼす影響
Sukthai Pongpattanasiri佐々木 長市松山 信彦野田 香織殿内 暁夫
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2005 年 101 巻 p. 17-26

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抄録
本研究では,カドミウム汚染水田より採取した土を用いて成層水田の模型を作製し,常時湛水条件下で降下浸透水の浸透型と同層水中の物質動態及び稲への影響を調査した。この模型では,作土及びスキ床層は汚染土,心土層は非汚染の礫とした。その結果,地下水位が高い条件の模型では,全層閉鎖浸透となりかっ全層還元層となった。地下水位が低い条件の模型では,スキ床層と地下水面エの心土工部のみが開放浸透となり,かっこれらの層のみ酸化層となった。降下浸透水中のEC,鉄,カルシウム及びマグネシウム濃度は,閉鎖浸透層の値が開放浸透層の値より大きくなった。草丈,茎数,乾物重,玄米重及び籾の稔実割合は,開放浸透層をもっ模型より,閉鎖浸透層のみの模型のほうが良好となった。根の伸張深さは約60 cmであった。玄米中の力ドミウム濃度は,開放浸透層を持っ模型の値は,全層閉鎖浸透の模型 の約10倍高い値となった。
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© 2005 土壌物理学会
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