本試験では,茎熱収支法により水ストレス及び塩ストレスがダイズの茎内流量に与える影響について砂質埴壌土,壌砂土,ロックウールを用い検討した。その結果,砂質埴壌土区及び壌砂土区における水ストレスについては,有効水分域の日茎内流量は土性による影響は小さく水ポテンシャルの影響が主要因となって変化していると考えられる。ロックウール区における塩ストレスについては,ストレス強度の違いにより同じECにおいて日茎内流量に大きな差が観測され,これは液肥の添加履歴による影響と考えられる。また,ストレス強度に関係なく 2 kPa以下では一定の日茎内流量が観測できたが, 2 kPaを超過すると急激に日茎内流量は減少した。茎内流量の経時変化は,吸弓旺及び浸透圧が低い環境下では明期開始6時間後となる 15 時付近に最大値をとる凸型の曲線となった。しかし,吸引圧及び浸透圧の増加に伴い茎内流量は減少し,最大値を有する凸型の変化は徐々に確認できなくなった。