土壌の物理性
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Print ISSN : 0387-6012
泥炭地水田産米の食味の特徴と客土による改善
柳原 哲司
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2006 年 103 巻 p. 95-103

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抄録
北海道に広く分布する泥炭地水田では,産米の蛋白質含有率が高く,それが食味不良の大きな要因となっている。この改善対策として客土の効果に着目し,米の食味に与える効果を解析するとともに,良食味米生産を目的とした客土の施行基準の策定を試みた。その結果, 100〜300 mmまでの客土により産米のタンパク質含有率が大幅に低下し,食味官能評価値は客土深 100 mm毎にほぼ1ランク上昇した。この要因は,客土による過剰なN供給の抑制と豊富なケイ酸供給により,水稲のN乾物生産効率が向上したことにある。客土材の可給態ケイ酸と原土壌の可給態N含量から客土の要否判定,客土材の適否基準を策定した。また,食味向上に関する客土効果の持続年数は 10 年程度と考えられた。
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© 2006 土壌物理学会
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