イモゴライトの発見を報じた2つの論文の内容,その発見の経緯や最近の研究について述べる。イモゴライトは1962年に吉永•青峰によってイモゴと呼ばれる火山灰土層から発見された繊維状の形態をもつアルミニウムケイ酸塩鉱物である。以前に研究対象とした火山灰土の粘土画分の電子顕微鏡写真に見られた繊維状物質を見逃さなかったことが発見につながった。彼らはその繊維状鉱物が酸性でのみ分散することを見出し, それを利用して分離濃縮し, 化学分析, X線回折, 熱分析, 赤外スペクトル測定などを行ない,新鉱物であることを確認してイモゴライトと命名した。その後,世界各地の火山灰土でイモゴライト見いだされた。また構造決定,人工合成も行なわれた。最近は工業材料として利用するた めの研究が精力的に行なわれている。