抄録
時間領域反射法(TDR)による河川の水位および電気伝導度と土砂表面位計測の有効性を検証するために,電気伝導度が異なるCaCl2溶液および砂の表面位が異なる条件において,誘電率および電気伝導度の特性を調べ,その計測のモデル化を試みた。水位および土砂表面はトータル誘電率の平方根√εeffとの間には,河川水の電気伝導度によらず直線関係が一意的に成立し,この直線から両者を高精度で評価することができた。一定の水位が確保された条件では,水位と電気伝導度の同時計測が可能である。ただし,TDRによる計測の精度や計測可能域は,河川水の電気伝導度や設置環境に強く依存するため,適切なプローブ長の検討およびその校正が重要であると考えられた。