土壌の物理性
Online ISSN : 2435-2497
Print ISSN : 0387-6012
農地からの温室効果ガス発生量の推定 —プロセスモデルによるアプローチ—
麓 多門柳原 哲司齋藤 隆八木 一行
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2010 年 114 巻 p. 49-52

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抄録
水田土壌の酸化還元過程などについて DNDC モデルを改良し,水田からの温室効果ガス(CO2,CH4,N2O)排出量を推定するモデル(DNDC-Rice)を開発した.これを北海道の水田に適用して,水管理による温室効果ガス排出削減可能量を評価した.その結果,中干し日数を増やすことで CH4 排出量が大幅に減少し,温室効果ガス排出量を平均で 2.6 Mg CO2 Eq. ha−1 yr−1 削減できると推定した.この削減量を日本の全水田面積に拡大すると,日本の全温室効果ガス排出量の 0.3 % に相当する.水田の水管理が有効な温室効果ガス排出削減策であることが示唆された.
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© 2010 土壌物理学会
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