抄録
TDR 法は,土壌水分量と電気伝導度の両方を圃場や実験室内で同時に経時的に測定できることから頻繁に使われている.これまで TDR プローブ間の平均土壌水分量と平均電気伝導度に関するいくつかの研究がされている.そこで,本研究では 3 層からなる成層土壌での平均バルク電気伝導度の測定値の評価をした.実験は,豊浦砂と関東ロームを用いた.土壌水分量と土壌溶液濃度を層ごとで調節し,温度一定に保たれたインキュベーター内で行った.それぞれの層に水平 TDR プローブを,また地表面から鉛直 TDR プローブを埋設した.鉛直 TDR プローブでの平均バルク電気伝導度は −9 ∼ + 17 % 誤差を生じることがわかった.しかし,ほぼすべての実験で 10 % 以下の誤差だったことから鉛直 TDR プローブと水平 TDR プローブによる電気伝導度の測定は圃場においてほぼ等しく測定可能であることが判明した.