土壌の通気性に関して,パーコレーション理論の適用可能性が指摘されている.また,二領域モデルはパーコレーション理論の適用範囲の存在を示唆するものと考えられる.しかし,両者の関係は明らかになっていない.そこで本研究では,二領域モデルとパーコレーション理論の関係を明らかにし,連続性の視点から通気性を説明することを目的とした.鳥取砂丘砂を用いて気相率と通気係数を測定し,連続気相率が全気相率と等しくなる点を境に二領域を設け,通気係数と連続気相率の関係にべき乗則を当てはめた.その結果,各領域で異なるべき指数が得られ,それぞれで異なる通気メカニズムが働くことが示された.また,臨界点近傍における指数の値は 2.12 ± 0.40 となり,パーコレーション理論による値とおよそ一致した.その指数のうち,連続性による寄与が 1.72 ± 0.15 であることが明らかとなった.