土壌の物理性
Online ISSN : 2435-2497
Print ISSN : 0387-6012
古典を読む B.W. EAVIS 著 「土壌の物理的条件が幼植物根の生育に与える影響 I. 砂質壌土における乾燥密度と水分状態により影響される 力学的抵抗,通気性,水分利用の難易度 · 利用可能性」
佐藤 泰一郎
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2016 年 134 巻 p. 41-49

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抄録

実験により,砂壌土の乾燥密度と水分を制御したカラムを用いて,エンドウ幼苗根の生育を制限する要因として,土壌の力学的抵抗,通気性,水分利用の難易度 · 利用可能性に区分して評価を試みた Eavis(1972)の秀逸な論文を紹介した.Eavis は,丁寧な計測と数多くの実験条件を与えることで,通気性の影響,力学的抵抗の影響,水分ストレスの影響を考慮した,根の生育に対する最適条件を示した.そして,Eavis が活躍した時代の前後の土壌の力学的抵抗や根の伸長力の計測法や Eavis の課題について述べた.また,力学的抵抗と根の伸長,伸長力の測定,土壌水分,間隙および通気性について,圃場試験,室内試験,シミュレーションから根の生育と土壌の物理性関係について,その後の研究動向を含め紹介した.

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© 2016 土壌物理学会
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