抄録
霞ヶ浦から浚渫される大量の底泥が,水田利用の大区画処理ヤードで天日乾燥固化処理されている。乾燥促進のための機械処理が求められており,底泥乾燥状態と地盤支持力を遠隔予測する必要がある。本研究は,表面情報により底泥乾燥状態を予測することを目的に実施した。浚深底泥の乾燥過程においては,乾燥の進行とともに土壌の凝縮が地表面からはじまり,更に3次元的な亀裂網の発生•発達及び大小さまざまな土塊が形成される。本報では,土壌水分変化に対する底泥亀裂と土塊の形態変化の関係を記述するため,亀裂網の幾何学的解析を行った。解析結果より,亀裂の形態特性値は水分減少とともに増大したが,土塊の形態特性値は土塊の数を除いて減少した。 8% d.b.の平衡含水比で亀裂の地表断面積が土塊の地表断面積の0.96倍になり,また亀裂/土塊の面積比と含水比との間には相関の高い指数関係が認められた。また底泥の亀裂パターンは乾燥速度と水分状態に依存することを認めた。