日本ストーマリハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2436-8806
Print ISSN : 0916-6440
原著
ウロストーマ患者に対するクランベリージュース投与の効果 尿pH および尿路感染に対する影響について
鈴木 謙一木崎 徳渡部 隆二折笠 精一金藤 博行襟川 政代中嶋 康彦石川 廣晴
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1995 年 11 巻 1 号 p. 35-41

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抄録

 ウロストーマ患者7例と尿道留置カテーテル患者2例に,クランベリージュース(50%,320g/日)を連日10日間飲用させ,尿pH および尿路感染に対する効果を検討した。尿路へのカテーテル留置の有無にかかわらず,膿尿および細菌尿に改善効果はみられなかった。尿pH は,カテーテル留置群(高度尿路感染例)5例では2例のみ低下したが,他は不変かむしろ上昇した。カテーテル非留置群(軽度尿路感染例)では4例中3例で尿pH の低下がみられ,投与前7.9±0.75,投与後6.6±1.18と平均でも1.3の低下がみられた。また尿pH 8.5を示した尿管皮膚瘻症例の接触性ストーマ周囲皮膚炎が,クランベリージュース(50%,320g/日)10日間の飲用によりpH 5.0に低下するとともに皮膚炎も軽快した症例を紹介した。

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