日本ストーマリハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2436-8806
Print ISSN : 0916-6440
第17回学会シンポジウム[ストーマリハビリテーション―今世紀の総括と今後の展望]
S状結腸、下行結腸STOMAの造設法―人工肛門造設の標準術式―
大木 繁男池 秀之山口 茂樹木村 英明大田 貢由市川 靖史藤井 正一杉田 昭嶋田 紘
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2000 年 16 巻 1 号 p. 21-26

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抄録
 stomaを造設する上で最も重要なことは、合併症を起こさないようなstomaを造設することである。理想的なstomaの形態および造設法について報告する。理想的なstomaとは、1.stoma site markingとして適した位置、2.形状が円形、3.直径3.5cm、4.突出型(高さ1.0~1.5cm)、5.stoma の頂点に排出口がある、6.stomaと接する皮膚面に陥凹がない。7.腹直筋筋膜前鞘に確実に固定されている、ことである。腹部皮膚の切除では皮膚切除後の拡張を考慮して出来あがりが直径3.5cm のものとしなければならない。腸管を確実に筋膜に固定するために腹壁に腸を通過させる前に腹直筋に8針固定糸を置き、その後に腸を貫通させ腹壁に固定する。突出型にするには余裕を持って腸管を腹壁外に十分に引き出し、皮膚からのstomaの高さを調節しながら1.0~1.5cm にする。以上の方法で20例にcolostomyを造設したところstomaに関与する合併症はなかった。
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