抄録
近年Quality of life(QOL)に対する関心が高まり種々の報告がされている。今回われわれは大腸手術患者のQOLを評価する質問表を作成する目的で予備調査を行った。その結果,手術群と非手術群にQOLの差はなく,また,人工肛門の有無でも差は認められなかった。しかし,手術群のなかで合併症の有無で比較したところ,因子分析で抽出した8因子のうち2因子で有意に合併症の無いもののQOLが良好であった(P<0.01,P<0.001)。大腸手術後の患者のQOLに関しては原疾患のみならず合併症に対する十分な対応が重要であると思われる。