抄録
タイマータンパク質TIME-EA4 (EA4) とその時間よみ調節ペプチドPINとの関係に関する検討を進めるため,両者を5℃ではなく25℃で相互作用させ,EA4のATPase活性発現時間を測定した.
EA4およびPINは,カイコC108号の産下2日後休眠卵から得た(cf. Tani et al., 2001).EA4とPINとをモル比で1:30以上の割合で混合し,カナマイシンA 100μg/ml共存下に25℃で保護した.種々の期間保護した後,セントリコン-10TMを用いてPINを分離し,PINフリーEA4のATPase活性発現までのPIN分離後からの時間を測定した.測定は,まず3時間積分法(cf. Kai et al., 1999)で発現時間帯を求め,次いでその時間帯内で30分毎に行い,詳細な時間を求めた.
その結果,すでに報告している5℃の場合とは異なり,25℃ではEA4とPINの共存期間が長くなるにしたがってATPase活性発現時期が遅れた.しかし,10日間以上の共存期間ではもはやその遅れは見られず,いずれも約18時間後に現れるようになった.
PINは,25℃下ではEA4の時間よみを一定限度までいわば巻き戻すように作用するものと考察した.