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Print ISSN : 0289-6540
遅延評価機構によるAND-ORグラフ上での優先度計算
吉見 毅彦田村 直之Bos Marco J. W.西田 収Jelinek Jiri村上 温夫
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1993 年 10 巻 1 号 p. 1_20-1_28

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抄録

本稿では,文法的に可能な解釈の中から最も優先度の高い解釈を小さい計算量で選び出せるモデルを提案する.すなわち,入力が長くなるにつれ解釈の数が組み合わせ的に増大することに対処するために,構文解析系から得る解析木をAND-ORグラフで表し,それに含まれる部分グラフを表現するためにORチャイルド・リストという表現手段を導入する.さらに,AND-ORグラフとストリームを対応させ,ストリームに対する遅延評価技法を用いて効率的に最良解釈から順に取り出す方法について述べる.このモデルでは,グラフ上の節点間で満たされるのが望ましい意味的条件や文脈的条件とその条件に対する優先度が与えられると,意味処理と文脈処理を一つの枠組みを用いて統合的に実行できる.

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© 1993, 日本ソフトウェア科学会
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