論理プログラムの特徴の1つは,パターンを扱うことである.Prologの多くの拡張は,新しいパターンを導入することによって,Prologの能力を増加することに成功してきた.しかし,パターンはどこまで拡張可能なのであろうか.この問題に答えるには,原子論理式とは何か,また,論理プログラムとは何かという根本的な問題を解かねばならない.GLP (generalized logic program)の理論は,原子論理式の形や変数などに言及せず,原子論理式や代入のなす空間の構造を,抽象的に,かつ,一般的に議論することによって,それらの疑問に答え,論理プログラムの概念を大きく拡大する. 本論文では,媒介表現系という抽象的で,単純な構造だけを仮定することによって,論理プログラムの理論における宣言的意味論の主要部分を再構築できることを示す.媒介表現系の公理を満たす対象は非常に多い.本理論は,論理と関係があるとはみなされていなかった多くの知識表現系をも論理プログラム(GLP)と認定し,それらに宣言的意味論を与えることになる.