コンピュータ ソフトウェア
Print ISSN : 0289-6540
オブジェクト指向方式による対話理解システム
大澤 一郎米澤 明憲
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1985 年 2 巻 1 号 p. 1_301-1_318

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抄録

日本語の対話を理解するシステムとして,オブジェクト指向の概念に基づいて構文・意味解析および対話理解を行なうシステム(ODDS, an Object Driven Dialog System)を開発した.構文・意味解析は格文法に基づく意味情報主導型で,単語をオブジェクト指向プログラミングにおけるオブジェクトと考えることで文法記述の階層化を行なう.さらに解析時に格を決める操作を単語カテゴリーに付随する問題解決方法として分散させることで柔軟な制御を可能にした.対話理解(文脈に応じた文の理解)は構文・意味解析の結果得られる入力文の意味表現に対するプロダクション・ルールにより制御する.対話の状況をオブジェクトとしてとらえ,各状況において有効なプロダクション・ルールとその制御方法をそのオブジェクトの知識としてもたせることで対話の状況に応じた適切な反応を可能にした.

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© 1985, 日本ソフトウェア科学会
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