データ駆動の原理は,問題の持つ並列性を自然にかつ最大限に引き出すことができるという点で,他の並列処理方式に比べて大きな長所を持つ.しかし,それを実現するためには,非常に多くの計算資源を必要とし,資源の限られた環境では必ずしも上記利点を有効に利用できるとは限らない.そこでこれまでわれわれは,データ駆動の特徴を引き出しながらかつ有限な資源を有効に利用するための方法として,ワーキングセットの概念の導入を提案し評価を行ってきた. 本論文ではこれらの結果をまとめ,データ駆動型計算機における準動的並列実行制御機構の実現方法について考察する。