1989 年 6 巻 2 号 p. 2_161-2_169
時制論理は,オペレーティング・システムやリアルタイム制御システムなど,時間の取り扱いが本質的であるような分野において有用である.時間軸は連続ではなく,離散的な時刻における状態の列として表わされる.ある処理内容に対して本質的な事象が起こった時刻だけを取り出して新しい時間軸を作れば,それはその処理を行うプロセス固有の時間軸であると考えることができる.この抽出された時間軸に基づけば,プロセスをより簡潔に記述できる.抽出された時間軸上で解釈される論理式が与えられた時,元の時間軸上で解釈される同値な論理式が存在する.また,この時間軸の抽出をTemporal Prologに適用すると,プログラムを各々固有の時間軸上で動作するいくつかの部分に分解することができる.論理式の場合と同様,抽出された時間軸上のプログラムを,元の時間軸上のプログラムへ変換することができ,この変換はモデル論的意味を保存する.