2017 年 57 巻 4 号 p. 121-132
東日本大震災で被災した神経発達障害児・者の身体的・心理的変化や症状の悪化,子どもに対する養育者の認知・感情,地域の人々の障害理解およびサポートの関連性について検討を行うため,面接調査を実施した.対象は,被災地A県に住む神経発達障害児・者の養育者22名(すべて女性)であった.面接内容を分類した結果,子どもの「身体的・心理的変化,症状の悪化」9カテゴリー,養育者の「認知」4カテゴリーと「感情」5カテゴリー,地域の人々の「障害理解」4カテゴリーと「サポート」4カテゴリーを生成した.その後,数量化Ⅲ類による分析を実施した結果,被災以降の避難生活では,神経発達障害児・者とその養育者の二者間だけでなく,地域の人々も含めた力動関係が生じていたと考えられた.このことから,被災以降の生活では地域の人々に対し障害理解を促進することが重要であり,そのためにも平時から関係性を築くことが大切であると推測された.