社会福祉学
Online ISSN : 2424-2608
Print ISSN : 0911-0232
論文
医療ソーシャルワーカーの依存症への関わりの積極性に対する規定要因――自己責任論に着目して――
伊達 平和 堀 兼大朗野村 裕美稗田 里香
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 63 巻 3 号 p. 28-40

詳細
抄録

依存症の回復支援について,ソーシャルワーカーの関わりの積極性は十分ではない.この積極性の規定要因の計量的な分析は乏しく,積極性を高めるためのエビデンスが不足している.よって本稿では,医療ソーシャルワーカーの依存症に対する関わりの積極性の規定要因について,主に自己責任意識に着目して分析を行った.分析には公益社団法人日本医療ソーシャルワーカー協会会員を対象にした調査データ(n=1,158)を用いた.分析の結果,1)依存症を自己責任だと考えない人は積極性が高い,2)依存症の研修を受けた人は積極性が高い,3)当事者との接触経験がある人は積極性が高い,4)ソーシャルワーカーの人数が多い職場で働く人は積極性が高いことが示された.この結果は自己責任論を乗り越えていくこと,研修の機会と当事者との接触経験を増やすこと,職場のソーシャルワーカーを増やすことが関わりの積極性に寄与する可能性を示唆している.

著者関連情報
© 2022 一般社団法人 日本社会福祉学会
前の記事 次の記事
feedback
Top