創傷
Online ISSN : 1884-880X
ISSN-L : 1884-880X
特集1:陥入爪治療のこだわり
陥入爪の手術的治療における細部へのこだわり
二ノ宮 邦稔朴 寿恵三宅 啓介波田野 智架内田 満野嶋 公博
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キーワード: 陥入爪, 手術, 爪甲爪母切除
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2012 年 3 巻 4 号 p. 154-159

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抄録

目的 : 陥入爪を主訴に来院する症例は多く, 安定した結果が得られる適切な治療が要求される。 われわれは, 1980年ころから一貫して爪甲爪母切除術 (labiomatricectomy : 児島Ⅰ法 ・ Ⅱ法) を行ってきた。 その術式を述べるとともに, 合併症の予防などについて報告する。
手術方法 : 術前の評価は, Heifetzの病期分類を用いている。 基本的にはⅡ期 ・ Ⅲ期を手術の適応としているが, Ⅰ期であっても長期間症状が持続している症例では手術の適応としている。 麻酔は, 足趾基部で背側より指ブロックを行い, 同部にゴムバンドを巻き止血する。 児島Ⅰ法は第Ⅰ ・ Ⅱ病期の症例のなかで, 爪甲の側爪郭への陥入が軽度で, 側爪溝の浅い症例に行う。 児島Ⅱ法は第Ⅲ期および第Ⅰ期 ・ Ⅱ期の症例のなかで, 爪甲の側爪郭への陥入が高度で, 側爪溝の深い症例に行う。
結果 : 完治率は高く, 治癒期間も短い。 術後, 爪棘や粉瘤形成などの合併症を1~2% の症例にみた。

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© 2012 一般社団法人 日本創傷外科学会
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