創傷
Online ISSN : 1884-880X
ISSN-L : 1884-880X
特集2:Revisit to expander
組織拡帳器を用いた Unfolded Cube Advancement Flap (Hammerhead Flap) による頭蓋顎顔面領域および四肢における広範囲皮膚欠損創の整容的再建
井野 康力丸 英明古賀 憲幸清川 兼輔
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キーワード: 組織拡張器, unfolded cube, 皮弁
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2012 年 3 巻 4 号 p. 181-187

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抄録
頭蓋顎顔面および四肢の広範囲の皮膚欠損創に対し, 組織拡張器を用いて整容的に再建する際の問題点は, 組織拡張器を挿入するドナーとなる周囲の健常皮膚の面積に限界があることである。 これに対しわれわれは, 組織拡張器で伸展した皮膚を最も効率よく利用する方法 (unfolded cube advancement flap) を開発した。 この方法は rectangular type の組織拡張器で伸展させた皮膚を直方体の箱とみなし, これを展開するように欠損部に伸展する方法であり, 皮弁の形状は,皮弁先端の両側にさらに皮弁 (以下翼) が付随したT字状の形となる。 本法を, 頭蓋顎顔面領域の7例および四肢の広範囲皮膚欠損創の再建の4例に用いた。 顎顔面領域の7症例では,皮弁は全生着した。 縫合線は表情線や輪郭線にほぼ一致し, 整容的に満足のいく結果が得られた。 四肢の4例では, 両翼先端約1cmの部分にうっ血を認めたが, 保存的に治癒した。 縫合線の多さや輪郭線への不一致などはあるものの, 整容的に改善を認め。
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© 2012 一般社団法人 日本創傷外科学会
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