抄録
創傷治癒阻害因子の数値化と重症度から創傷分類を試みた。創傷治癒阻害因子をDEFECT因子,CAUSE因子,LOCAL因子に分け,軽度因子をスコア1,重大因子をスコア2とした。重症度はDEFECT因子単独のⅠ分類,DEFECT因子に他の1因子が関与するⅡ分類,DEFECT因子に他の2因子が関与するⅢ分類に分けた。なお,DEFECT因子がなくCAUSE因子とLOCAL因子がある場合をⅡ'分類とした。以上を形成外科領域で扱う急性,亜急性,慢性創傷の代表的な13症例について,創傷治癒阻害因子のトータルポイントと重症度分類を求めた。急性創傷はⅠ分類,亜急性創傷はⅡ分類,慢性創傷はⅡ分類とⅢ分類となった。トータルポイントは急性創傷 ≤ 3,亜急性 ≤ 4,慢性創傷 ≥ 4であった。難治性潰瘍はⅢ分類のうち治癒後にもⅡ'分類に属する症例と考えられた。創傷を創傷治癒阻害因子の数値化と重症度によって分類することが可能であった。数値化によって治療目標が具体的になるため,慢性創傷の早期治癒に貢献すると考えられた。