創傷
Online ISSN : 1884-880X
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特集2:創傷外科医がリーダーとなるチーム医療の作り方
広範囲熱傷におけるチーム医療の現状-創傷外科医がリーダーとなり得るには-
山本 有祐仲沢 弘明櫻井 裕之
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2016 年 7 巻 2 号 p. 65-73

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抄録

 広範囲熱傷の治療には全身管理,局所療法,救命後の機能・整容的再建が必要となる。急性期に全身管理を担う救急医のみならず,一連の治療を通し,麻酔科医による疼痛管理,精神科医の睡眠調整・精神的介入,さらに専門看護師をはじめ,医療工学士,理学療法士,薬剤師などのコメディカルとのチーム医療が重要である。治療の当面のゴールは熱傷創閉鎖であり,一貫して治療に携わる創傷外科医がリーダーとなり,焼痂切除・皮膚移植を基軸とした治療計画を立案・実行することが重要であると考える。創傷外科医がリーダーになるには,1.創閉鎖のための確固たるスキルをもち,2.患者の全身状態を把握し,それに応じた局所管理を選択し,3.将来起こりうる障害を予測し,対応策を立案でき,4.関連各診療科・各部署と密なコミュニケーションをとれることなどがあげられる。

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© 2016 一般社団法人 日本創傷外科学会
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