移植
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名古屋第二赤十字病院における新たな膵腎移植手術の工夫
平光 高久鳴海 俊治
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2020 年 55 巻 Supplement 号 p. 249_1

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抄録

 膵移植における移植膵の長期予後を得るためには、graft lossとなりやすい周術期合併症予防が大切である。そのための新たな膵腎移植手術の工夫について検討する。CITを短縮することで術後の合併症を減らすため、Bench surgeryにリガシュアーを使用している。リガシュアーの使用で、Bench surgeryの時間が短縮され、CITを短縮できるだけでなく、再還流後の出血も減少した。移植十二指腸をBench surgeryで先に短く処理すると、再還流後産生された膵液が、短い移植十二指腸を充満し、十二指腸壁が薄くなったり、十二指腸の圧排により止血が困難となっていた。移植十二指腸末梢側を長く残すことで、膵液が十二指腸内内にドレナージされ、確実に止血を行うことが可能となる、さらに十二指腸の血流不良部分を確認してGIAで切離できるため十二指腸断端トラブルを回避することも可能である。

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