移植
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当院におけるメディカルコンサルタント介入の変遷
寶亀 亮悟市原 有起山田 有起子菊池 規子服部 英敏野本 美智留齋藤 聡西中 知博萩原 誠久布田 伸一新浪 博士
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2020 年 55 巻 Supplement 号 p. 394_3

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抄録

メディカルコンサルタント(MC)制度は適切なドナー評価・管理の支援をを行い、「可能な限り多くの臓器を良好な状態でレシピエントの元に届ける」という点においても臓器提供数が極めて少ない本邦では、需要な制度である。当院心臓外科も2009年から東日本を中心に東日本を中心にMCの介入を行ってきた。当院ではMCの質を維持するために若い世代への教育も積極的に行ってきた。今回、当院のMC介入方法を振り返る。当院では、重症心不全・補助人工心臓(VAD)治療・移植治療を心臓外科中心で管理を行っていた2013年頃まではMC介入も移植医療に精通していた心臓外科医が1人で行っていた。その後の症例数増加に伴い、MC介入回数も増加するにつれ、心臓外科の医師1人では業務遂行が困難となり後輩の育成が急務となった。そのため、2014年以降後輩の育成のために上級医と共にMC業務に同行し、評価および判断を共有することで経験を積むようにした。また、心臓外科入局者が年々減少していることを踏まえ、将来的にMC業務が立ち行かなくなることが予想されたため、2016年以降循環器内科の医師にも協力を仰ぎ積極的に心臓外科と合同でMC介入を行うようにしている。2019年以降は10年目以上の循環器内科・心臓外科医師が責任者となり現地に赴き、内科外科両側面からドナーの評価を行うことでその質を上げることも心がけている。

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