1970 年 13 巻 4 号 p. 187-190
1. チャの起源を外部形態学的に明らかにする手段として相関係数を利用する方法を試みた.
2. 日本の中国, 九州および沖縄地方の15地域に自生するチャについて, 各地域相互の組合わせによって相関係数を算出したところ, いずれもおおむね完全な相関々係にあることが認められた.
3. 各地域相互間の相関係数の系列を曲線で表わしたところ, いずれも類似した曲線となった.この結果各地域によって多少の形態学的差異はあっても, すべて同一の主要種類 (dominant species) をもっていることが明らかとなった.
4. 今後はアジア地域に野生するチャの形態学的比較において, 相関係数を利用して試みる必要がある.