熱帯農業
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Atriplex nummulariaの耐塩性に関する研究
第2報 異なる温度条件で生育するAtriplex nummulariaの耐塩性について
内山 泰孝
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1985 年 29 巻 2 号 p. 98-103

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抄録
異なる温度条件下で, 異なる濃度のNaClを含む培養液を用いたバーミキュライトを培地とする栽培試験において, 中温区 (日平均25℃) のA.nummulariaの生育量が最大で, かつNaCl0.5%では無加塩区のそれに劣らなかった.低温区 (日平均17℃) では全般的に生育量は少ないが, NaCl濃度が1%に上がっても生育量はほとんど変わらなかった.高温区 (日平均33℃) はNaClの影響を受けやすく, 無加塩区ではある程度高い生育量を示したが, NaCl濃度の上昇に伴い生育量は著しく低下した.この結果A.nummulariaの導入適地は日平均気温25℃程度で, NaCl濃度が0.5%以下の地域であるが, 土壌の塩濃度および気温の関係を考慮すれば, より広い導入可能性のあることが示唆された.
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© 日本熱帯農業学会
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