熱帯農業
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29 巻, 2 号
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  • 八尋 正樹
    1985 年 29 巻 2 号 p. 71-76
    発行日: 1985/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    1982年3月20日に植付けられた甘蔗のNCo310品種を用い, 植付後の令の異なる1982年10月19日, 11月19日, 12月20日の3時期に茎を採取し, その茎の中部, 下部の芽について, 矮化病防除の一方法である50℃温湯による, 2時間あるいは3時間処理を行い, 茎芽の発芽に対する影響を調査した。
    50℃温湯処理後, 30℃の定温器で発芽調査を行ったが, 30℃置床後7日目までの毎日の発芽個体数の推移をFig.1~Fig.3に示した。全実験を通して50℃温湯処理の2時間, 3時間ともに茎芽の発芽を抑制した。
    実験1 (Fig.1, 蔗茎採取日: 10月19日) においてはその抑制効果をみると下部芽の発芽抑制が中部芽の発芽抑制より僅かに少なかった。実験2 (Fig.2, 蔗茎採取日: 11月19日) においては50℃, 2時間処理が3時間処理より中部芽。下部芽ともに30℃置床5日目以降, 発芽抑制効果がやや少なかった。実験3 (Fig.3, 蔗茎採取日: 12月29日) においては, 50℃, 2時間処理が中部芽, 下部芽ともに3時間処理よりも発芽抑制効果がかなり少なかった。
    これら実験1, 実験2, 実験3およびTable1から甘蔗の植付後, 齢が進むにつれて, 50℃温湯処理の茎芽に対する発芽抑制効果が軽減し発芽率の低下が少なかった。また矮化病防除に50℃, 2時間処理で充分ならば3時間処理より2時間処理が茎芽の発芽の観点からより有利であると推察される。また下部芽の方が発芽が抑制される程度が中部芽に比較して少なく, 同一茎の中でも齢の進んでいる下部芽の方が中部芽より50℃, 温湯処理に対する耐性が強いと判断した。
  • 第17報蔗茎の登熟型とブリックス測定の精度
    永冨 成紀
    1985 年 29 巻 2 号 p. 77-84
    発行日: 1985/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    サトウキビの高糖性育種における糖度検定法の精度を向上するために, 蔗茎の登熟経過を明らかにし, 誤差要因を解析した.
    品種の登熟型には節部先熟, 中間, 節間部先熟の3型が認められ, 登熟型指数 (Maturity type index) による判別基準を設けた.蔗茎の外層部は中心部に比べて常に先熟傾向にあり, 登熟型と併せて圃場ブリックスの誤差要因となる.圃場ブリックスと搾汁ブリックスとの相関は3部位平均 (+0.924) , 中部 (+0.917) , 下部 (+0.914) , 上部 (+0.873) の順に近似性が高かった.初期, 中期選抜過程における糖分検定法として, 圃場ブリックスは誤差を含むが簡便, 省力化によって育種効率を高めうることを明らかにした.
  • 岩崎 直人, 大垣 智昭, 川俣 恵利, 金 〓, 福島 正幸
    1985 年 29 巻 2 号 p. 85-91
    発行日: 1985/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    小笠原における生物防除によるミバエ類撲滅の達成が近いことにより, 同諸島産の亜熱帯性果実の大量内地輸送法を明らかにしようとした。常温輸送に対して, 低温海上輸送による果実品質の保持と, 耐久性の限界, およびそのための収穫適熟度を追究した。
    7月, および9月において, 樹上完熟状態より3日前の状態の熟度のものを, 採取~船積~海上輸送~内地において, 燻蒸等により寸断されることがあったが, 時間あたりの平均温度をほぼ9℃に維持した低温流通システムにおいた。その結果, 常温 (時間あたり平均温度ほぼ26℃) 輸送した果実の商品性が5日程度しか保ち得ないのに較べて, 低温輸送果は約10日間商品性を保持することが出来た。小笠原産のものを完熟に近い熟度で収穫し, 良品質で内地消費に供しうる。
    なお, ダンボール箱の吸湿度についても検討した。
  • 第1報 高塩濃度条件における生育量
    内山 泰孝
    1985 年 29 巻 2 号 p. 92-97
    発行日: 1985/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    飼料作物として利用されるA.nummulariaは耐塩性が非常に高く, 種々の濃度のNaClを含む培養液を用いたバーミキュライトを培地とする栽培試験においてNaCl5%の培地でも生育が可能であり, また, NaCl1%の培地でも, NaCl無添加培地で生育したものの約80%の乾物生産を示した.したがって, 従来作物生産ができなかった地域への導入や海水かんがいによる栽培の可能性が示唆された.
  • 第2報 異なる温度条件で生育するAtriplex nummulariaの耐塩性について
    内山 泰孝
    1985 年 29 巻 2 号 p. 98-103
    発行日: 1985/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    異なる温度条件下で, 異なる濃度のNaClを含む培養液を用いたバーミキュライトを培地とする栽培試験において, 中温区 (日平均25℃) のA.nummulariaの生育量が最大で, かつNaCl0.5%では無加塩区のそれに劣らなかった.低温区 (日平均17℃) では全般的に生育量は少ないが, NaCl濃度が1%に上がっても生育量はほとんど変わらなかった.高温区 (日平均33℃) はNaClの影響を受けやすく, 無加塩区ではある程度高い生育量を示したが, NaCl濃度の上昇に伴い生育量は著しく低下した.この結果A.nummulariaの導入適地は日平均気温25℃程度で, NaCl濃度が0.5%以下の地域であるが, 土壌の塩濃度および気温の関係を考慮すれば, より広い導入可能性のあることが示唆された.
  • 第9報 葉位別にみたトロパンアルカロイドの収量
    池永 敏彦, 富永 安子, 大橋 裕
    1985 年 29 巻 2 号 p. 104-108
    発行日: 1985/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    わが国でDuboisiaを生産栽培する場合, 風害対策を講じる必要がある。その一策として, チヤ栽培法のように樹高を低く, 密植することが一つの栽培法であると考えた。そのため, それから派生してくる葉の着生位置と葉量, アルカロイド含量およびアルカロイド収量の相互関係について基礎実験を行なった。その結果, Scopolamineの収量には一定の傾向を認めることができなかったが, Hyoscyamineでは, 若い葉からなる先端部でその収量は最大となった。したがって, 樹高を低くして栽培することは, 生産上不利でないことが示唆された。
  • 中村 重治, 田村 幸吉
    1985 年 29 巻 2 号 p. 109-115
    発行日: 1985/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    1年生のステビア実生栽培集団において主要甘味配糖体の変異を調査したところ, 配糧体の含量のみならずその組成に関しても非常に幅広い個体変異がみられた。総配糖体含量に関しては幼苗時と収穫時における測定値の相関はかなり小さく, 幼苗時検定の結果をそのまま選抜に利用するには問題があった。しかし各個体における甘味配糖体の組成は, 幼苗時と収穫時で極めてよく一致した。また主要甘味配糖体の組成型によるステビア個体群の分類を試みた。
  • 池永 敏彦, 浜 薫, 大橋 裕
    1985 年 29 巻 2 号 p. 116-117
    発行日: 1985/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 古賀 重成
    1985 年 29 巻 2 号 p. 118-123
    発行日: 1985/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
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