抄録
心土破砕と組み合わせた不耕起栽培は, 東北タイの天水地帯における畑作物および稲の生産性向上に有効であった.畑作においては, 不耕起は雨期始めにおける圃場準備作業時間と労力を節減しただけでなく, 傾斜畑で耕起後にみられる土壌浸食を防止した.さらに不耕起では土壌を撹乱しないために, 土壌水分の保持効果が高く, トウモロコシ, ソルガム等の畑作物の生育を促進した.水田作においては, 移植労力の不足と降雨の不安定性を克服するために水稲乾田直播の導入が効果的であったが, 不耕起播種は耕起播種と同等の収量性を示した.不耕起栽培に先立って深さ40~50cmの心土破砕を行うことにより, 水が土壌深層まで浸透するため圧密化しやすい砂質土壌が膨軟となり, 作物の生育に促進効果が認められた.