抄録
「くるりんばす」 は愛知県日進市のコミュニティバスである.市内では,1 日に 11 便の7 コースの周回バスと 1 コースの中央線が運行されている.1 乗車の運賃は 100 円となっている (中央線のみ 1 乗車 200 円).本研究では,「くるりんばす」 利用者を対象に調査を行い,1 乗車運賃が変更された場合の利用者の利用意識の変化を分析した.その結果,運賃の値上げによって,多くの利用者は利用頻度が減少し,中には利用を断念してしまう利用者も存在することが明らかとなった.また,1 乗車運賃の変更による利用者の利用頻度分布を推定する利用構造モデルを構築した.その結果,現状のバスの利用頻度によって1 乗車運賃の変更が利用者に与える影響は異なり,特に利用頻度の低い利用者ほど 1 乗車運賃の変更による利用頻度の変化が大きいことが明らかとなった.