抄録
海外では、生活道路における通常の物理デバイスの導入が困難な箇所における速度抑制策として Dynamic Speed Display Sign が導入されている。DSDS の導入効果を期待するためには、効果を高める情報提供内容や、効果の範囲を予測した導入すべき箇所に関する慎重な検討が極めて重要である。生活道路におけるDSDS の導入がほとんど検討されていないわが国において、これらの点を明示することは少なくない意義があると考える。本研究は、情報提供内容に着眼点を置き、速度超過しなかった運転者に対して最高速度規制を遵守したという事実を伝える「遵守情報」の提供の影響について、提供後の速度変化、機器評価や受容性の視点から、速度超過した運転者に対する「超過情報」の提供の影響との比較分析を通じて明らかにする。