2024 年 10 巻 1 号 p. A_216-A_222
本研究では,電動キックボードの対面すれ違い回避挙動に着目した走行実験を通じて,被験者属性別に回避挙動特性を分析した.被験者を性別,自転車利用頻度別,バイク免許保有別,普段の車の運転特性別に分類し,電動キックボード同士または自転車対電動キックボードのすれ違い走行に関する分析を行った.その結果,男女別では離隔距離に大きな差がなく,電動キックボード同士のすれ違いでは回避開始は女性のほうが遅い傾向にあることが分かった.また普段自転車に乗らない人のほうが,離隔距離がやや大きく,調査員走行位置0mのときに回避開始が早いことやバイク免許保有者のほうが,離隔距離が大きく,回避開始が早い傾向にあることが示された.運転特性別では,自動車の運転スキルに自信がある人は早めに回避し始めること等が分かった.