2024 年 10 巻 1 号 p. A_223-A_233
本研究は、都市間高速道路における交通性能の経年低下状況をミクロレベルで把握し、その要因を考察することを目的として、平成 18 年と令和元年の 2 時点の車両感知器パルスデータより、個々の車両に着目した交通性能の時点変化を車線別かつ車種別に分析した。非渋滞時は速度が全体的に低下し、そのうち低い交通量ランクでは車線利用率の変化が、高い交通量ランクではゆとりを持った運転をする利用者の増加と、全体的な速度の低下が影響して車頭時間が変化したことを考察した。渋滞発生直前では長い車間距離をとって追従しない車両が増加し、このような状況であっても減速波が発生し渋滞に至るため、渋滞発生時交通流率が低くなることを示した。渋滞発生後は、長い車間距離をとるようになった結果、渋滞中交通流率が低下するようになったことを示した。